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『小学校〜それは小さな社会〜』を観て

この映画を観て、「良い映画だった」と素直に思った。小学校という小さな社会のなかで、子どもたちも先生たちも、それぞれの立場で一生懸命に過ごしている姿が映し出されていて、胸が熱くなった。先生たちは子どもに向き合おうと懸命で、子どもたちは毎日を受け止めて、生きている。その姿は本当にすごいと思った。

でも、僕はやっぱり、今もう一度小学校に行っても、不登校になると思う。

「行かない」のではなく、「行けない」。

映画の中に流れる空気は、どこかで「良い子でいよう」「ちゃんとやろう」とする力が働いているように見えた。先生たちも、「子どもの手本でなければ」と肩に力が入っていて、それがピリッとした緊張を生んでいるように感じた。「みんな違ってみんないい」と言いながらも、「でも、みんなと同じようにできないと困るよね?」という圧力が、どこかに潜んでいるように思えた。

その世界では、僕はどうしても息が詰まってしまう。生きたいように生きられない世界で、呼吸が苦しくなって、涙が出てくる。

大人になった今は、学校という仕組みの凄さも、先生たちの誠実さも、子どもたちのたくましさも理解できる。でも、それでもやっぱり、「僕は行けなかったし、きっと今も行けない」と思う自分がいる。

それは「良い」「悪い」の話じゃない。ただ、「僕は行けない」——それだけのことなのに、いつのまにか自分を責めてしまう小さな自分が、心の奥にまだいる。


「学校」で努力できた人たちには、あの生き方もできるのだと思う。
だけど、僕は息ができなかった。じっと座っていられなかった。
みんなと一緒にできない、ということが、ただそれだけで辛くて苦しかった。
映画を見終わった今も電車の中で学校に行けなかった、悔しさや悲しさで涙が溢れてとまらない。

だからこそ、そんな子たちがいるからこそ、「ひなたぼっこ」は、やはり学校に行けない子たちの居場所でありたい。


下村美鳥

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