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ひなたぼっこ10周年記念誌原稿より

 「大事なのは自分の心を守ること」      

N.M  

 

「ひなたぼっこ」十周年、おめでとうございます。

 私は小学校六6年生の頃から学校に行けなくなり、「ひなたぼっこ」に通い始めました。初めての場所で戸惑う私に、西岡さんを始めスタッフの方々が優しく声をかけてくださったのを今でもよく覚えています。それから少しずつ他の子とも話せるようになり、私は毎週水曜日に「ひなたぼっこ」に行くが楽しみになりました。みんなでトランプをしたり、お絵かきをしたり、外へ出て大縄跳びをしたりなど、家にいる私にとって新鮮で楽しい時間を過ごすことが出来ました。

 中でも自分の描いた絵や作ったものを褒めてもらえるのがとても嬉しく、当時の私にとって「ひなたぼっこ」の方々に見てもらえるのが作品を作る一番の原動力でした。それがきっかけで芸術に興味を持ち、美術系の専門高校に進学しました。「ひなたぼっこ」に出会えたおかげで自分の好きなことが見つかり、本当にいい場所に巡り会えたと思っています。

 私は「学校に行かないこと」がずっとダメなことだと思っていました。ですが、「ひなたぼっこ」を始め色々な人と関わり、今では自分の選択が正解だったと思えるようになりました。一番大事なのは、皆と同じように学校に行けることでも、親の期待を裏切らないように生きることでもなく、自分の心を守ることだと思います。どんなに孤独で辛い時でも、寄り添ってくれる大人は必ずどこかにいるはずです。当時の私のように学校に行けなくて苦しんでいる子が、一人でも多く「ひなたぼっこ」という居場所でのびのび過ごすことで、心身共に元気になってくれることを願っています。

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